鍵がすり減って開けづらくなったのですが

k_035カギの管理というのは、案外意識されていないものだったりします。実際にカギを使う瞬間というのは、まさにドアの開閉時ということになるのですが、それ以外の時間、つまり一日の大半はカギが使われるという場面はありません。その間、カギはバッグやポケットの中にあって、ほかの小物とともにごゴチャ混ぜにされていることも少なくないのです。
通常のカギは金属製ですから、いっしょになっている小物のほうにキズが付くことが心配されたりします。しかし、カギだってそうした状況でキズがついてしまうことがあるのです。往々にして忘れ去られてしまうことですが、カギと錠前は本来的に精密機械であり、ぞんざいな扱いをすべきものではないのです。

さらにカギは、普通に使っていても次第に摩耗していきます。金属の錠前に差し込まれ、引き抜かれることで、金属同士がこすれ合い、擦り減っていってしまうのでしょう。そうして目に見えないキズが蓄積していくことで、カギは機能障害を起こすことがあります。なんだか最近、カギをカギ穴に差し込むと引っかかるような感覚があって、妙に開けずらくなったなんてことがあるようならば、カギの摩耗による劣化を疑うべきでしょう。

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もちろん軽度の鍵の擦り減りであれば、そう簡単にカギが開かなくなるということはありません。また、メンテナンスの一環として鉛筆の芯をカギに刷り込むことで、通常の状態を取り戻すことができることがあります。カギのシリンダー内部に潤滑油などをスプレーすることはご法度で、滑りを良くするには専用のものが必要ですが、唯一成分として問題ないのが鉛筆の芯であると、インターネットなどで紹介されています。
カギは修理やメンテナンスをすることがほとんどないツールですが、決して必要ないというわけではありません。乱暴に扱うと劣化を早めることになるため、結果としてシリンダーごと交換修理するなどの高い代償を払う危険性もあるのです。